ビスホスホネートは骨吸収を抑制する薬剤です。骨粗鬆症、リウマチ性関節炎、パジェット病のような骨代謝疾患、そして悪性腫瘍など、多くの疾患に使用されています。全世界でビスホスホネートを投与されている患者は2500万人にのぼるというデータもあります。
大変多くの病気の方を助けている大変頼りになる薬なのですが、歯科領域で少し困った問題が出てきています。このビスホスホネートを投与されている患者さんに抜歯などの外科処置を行った場合、顎骨壊死を引き起こしてしまう症例が昨年来より報告されているのです。ビスホスホネートの商品名は「アレディア」「ゾメタ」などです。顎骨壊死といってもその症状は広範囲かつ重篤なものが多く、まだ有効な治療法も確立されていません。
我々歯科医としては今や絶対にチェックしなければならない問診事項の一つになっています。
骨吸収を抑制する薬がどうしてネクローシス(骨壊死)を引き起こすのか・・・その副作用のしくみは少々複雑のようです。一日も早い解決が待たれます。