今日は歯科医師会主催の健康教育セミナーで、東京医科歯科大の石川烈名誉教授の講演がありました。
テーマは「歯周病が及ばす全身への影響について」でした。
歯周病菌がアテローム性動脈硬化や心筋梗塞の『主原因の一つ!』ではないかという仮説の検証でした。歯周病菌をいつも口腔内に飼っている(?!)人はそれが原因で動脈硬化を引き起こすという説です。
その根拠として下記の二つの事実を挙げていました。
1・動脈瘤の重症患者の中に歯周病に羅患していない人が「1人もいない!」という統計的事実
2・口腔内のみに存在しているはずの歯周病菌、ジンジバリスが心筋梗塞を起こした心臓の「冠動脈の内壁から検出される!」と言う事実
その他、胃潰瘍やバージャー病と歯周病の関連、というよりずばり歯周病菌が主原因ではないかという事も講演の中で述べられていました。
中々衝撃的な内容でした。前から文献などでは指摘されていた事ですが、この事はもう何年かすれば医学界の常識となっていくかもしれません。
脳血管科で動脈硬化と診断されれば、降圧剤や抗凝固剤の投与に加えて、治療計画の中に「積極的な歯周病治療を行って症状の軽減を図る」という項目が加わり、歯科診療所とタイアップして治療を行うといった時代がもうすぐ来るかもしれません。