唾液の効能というと、皆さんがまず連想するのは「殺菌作用」「消化酵素(アミラーゼを含有)によって澱粉を分解する」この二つだと思います。
歯科の分野から見ると、これに加えて「歯の主成分であるカルシウム、リンを多量含有している」「緩衝作用を持つ」という素晴らしい歯を守る効能を唾液は持っています。
傷を治す効果、食物を消化吸収しやすくなる効果に加えて、ミクロ単位の欠損なら唾液に含有されるカルシウムやリンがその部位の修復を行う事ができるのです。そして虫歯の直接的な原因である乳酸を中和する効果(緩衝作用)もあるのです。
まさに歯の守り神である唾液。虫歯は治らないものと思っている方は多いと思いますが、ごくごく初期の虫歯なら唾液が進行を止め、なおかつ修復もしてくれます。
歯の強化にはフッ素が有効ですが、唾液もなかなか素晴らしい働きをするという事を皆さん覚えていてください。