題目からしてふざけてるのでは、と思われるかもしれませんが、実は結構真剣に思っています。
蚊になりたいというより、蚊の職人芸に少しでも近づきたいと日々思っているのです。
血を吸うことではありませんよ。蚊が人間の皮膚へ口を刺す時の、全く痛みを感じさせないあの刺入のテクニックに少しでも近づきたいといつも思っているのです。
そう、歯の麻酔の話です。
少しでも患者さんに痛みを感じさせないようにゼリー状の表面麻酔を歯肉に塗布し、優しく均等に圧力を加える為に器械での麻酔を行うなど色々努力はしているのですが、歯肉に多数存在する感覚受容器の一つである痛点は、ほんの少しの刺激でも確実に脳に伝えようとします。 蚊の口とは太さも全然違うし、そもそも目的が違うのですから比較する事自体がおかしいのかもしれませんが、麻酔の際に患者さんの顔が少しでもゆがんだ時は、「蚊のテクニックにはまだまだ及ばないのかなあ・・・」と思ってしまいます。
歯科医としての臨床経験は18年目になりますが、痛みのない麻酔技術の追及に終りはありませんね。