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レセプトオンライン請求義務化が先送り

衆議院選挙の対策の為、というのが少々気になりますが、どう考えても「もっと見直すべきでは・・・」と思っていたレセプトオンライン請求義務化が先送りになりました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090228/stt0902280131000-n1.htm

政府・与党は27日、具体的な治療内容や投薬名、診療報酬点数が書かれたレセプト(診療報酬明細書)請求について、完全オンライン化する時期を平成23年度から、さらに先送りする方針を固めた。先送り期間については、5年にする案が浮上している。
衆院選を控え、日本医師会などの反対論に配慮した。来月にも閣議決定される規制改革推進3カ年計画の改訂版に反映させたい考えだ。
オンライン請求の義務化は、小泉政権が医療費抑制策の一環として策定した医療制度改革大綱で決定された経緯がある。それだけに義務化時期の先送り方針は医療費抑制路線からの転換といえ、与党内には改革後退との指摘もある。
不正請求や記入ミスを発見しやすくするために導入が決まったオンライン請求の義務化は、段階的に進められ、大規模病院では20年度から実施された。来年4月からはベッド数20床未満の開業医などに原則適用、23年4月から完全実施する予定だ。ただ、機械購入などの費用もかかるため、扱い数の少ない開業医らについては23年4月から2年間の移行猶予期間を設定。紙レセプトを代行機関に送付しオンライン請求してもらう仕組みの導入も図ることになっている。
こうした対応を進めていたにもかかわらず、政府・与党が先送りする方針を固めたのは、有力支持団体の日本医師会などが「対応できない開業医らが廃業すれば地域医療の崩壊を招く」などと強く反発しているためだ。日本医師会と日本歯科医師会、日本薬剤師会は昨年10月、完全義務化撤廃を求める共同声明を発表。1月には35都府県の医師らが義務がないことを確認する訴訟を起こした。
与党内にも「医師不足対策を進めている中で逆行する動きだ」との批判が強まり、27日の自民党医療委員会では23年度の完全実施に賛成する意見はなく、希望者だけがオンライン請求する仕組みに転換するよう求める声が出された。
(産経ニュースより)

レセプトを既にコンピューター対応にしている私の診療所でも、オンライン化の為に30万程度の設置費用が発生する事が概算でわかっていました。レセプトコンピューターを導入していない診療所はさらにその導入費用が加わります。もし購入なら歯科の場合400万程度の費用が新たに発生します。この改革を厚生労働省が強行突破したら、沢山の高齢の開業医が「そんなもの導入する位なら・・」と廃院を決断し、地域医療が少なからず混乱するであろう事が予想されています。
僕はこの制度については、この地域医療の混乱よりも、オンライン化で全国の病院診療所のパソコンにある患者情報がオンラインで繋がるようになる事に危険を感じています。不正請求や記入ミスのチェックを見つけやすくするだけなら、紙ではなく専用のDVDやMOで請求すれば同レベルの迅速なチェックが可能なはずです。
なぜオンラインにこだわるのでしょうか?
厚生労働省はその個人情報漏洩という危険な一面に目をつぶっていると思います。オンライン化になれば、ハッカーがその気になればカルテを簡単に覗けるのではないでしょうか?

とにかくオンライン化は、ひとまず先送りという事でほっとしています。この5年の間にもっと患者情報を保護できるようなやり方を模索すべきです。

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