医療財源をどこに求めるかという議論で、煙草にかかっている税金を上げて医療財源に充ててはどうか、という意見があります。以下、新聞記事を引用します。

<<たばこ1箱の値段を現在の3倍程度、1000円に値上げしようという動きが急浮上しているという。いまの政治社会情勢からして、これは実現可能性が高いとみていいのではないか。
来年度から基礎年金の国庫負担を現行の3分の1から2分の1に引き上げるため、これに2・3兆円必要だ。本来ならば、消費税の引き上げ(1%で税収2・5兆円)でまかなうのが妥当なのだが、福田政権には消費税に手をつけるだけのパワーがあるとは思えない。たばこ増税だと、仮に値上げによって消費量が3分の1に減ったとしても3兆円ほど見込めるのだという。
喫煙に対する抵抗感が強まっている世相に便乗すれば、消費税よりもはるかにたやすいといえそうだ。野党は消費税引き上げに猛反対しているが、たばこ増税には理解を示す向きが多い。なるほど知恵者はいるもので、いいところに目をつけたものだ。
政府の社会保障国民会議は先ごろ、基礎年金の財源をすべて消費税でまかなう場合、9・5%~18%になるという試算を初めて公表した。これは年金財源だけだ。医療や介護なども含めて、福祉財源全般を視野に入れた消費税論争がいよいよ政治の中心テーマになるかと思われたのだが、当面、たばこ増税でしのげるのなら、この大問題を先送りできる。
なんのことはない。消費税引き上げが福田政権の命運を決するとまで喧伝(けんでん)されていたのが、あっさりと肩透かしをくらわすことになる。「欧米並みだと1000円」というのも妙な説得力がある。さあ、喫煙派はどうするか。このさい禁煙に踏み切るか、家計と相談しながら「たばこ1000円時代」に備えるか。
社会から厄介者扱いされて肩身が狭い喫煙派だが、年金財政の破(は)綻(たん)を救う崇高な役目を負うのだとすれば、これは堂々としていていいことになる。国家の危機を一手に引き受ける正義の味方「スモーカーマン」の登場だ。>>

6月9日21時9分配信 産経新聞
(記事のリンクは削除されますので全文掲載させてもらいました。)

産経新聞だけでなく色々な新聞で議論されていますが、「1000円にすると増収になるのか?禁煙する人が増えて減収になるのか?」という事のみが議論の主な対象となっているのが少し残念です。

私は煙草というものを殆ど吸った事がありません。
また診療の現場では、喫煙している人とそうでない人との口腔内の状態の違い、というものを肌で知っています。ニコチンは触れた粘膜の血行を止めてしまうという事実がある以上、免疫が頼りの歯周病治療にとっては煙草は増悪因子になります。
喫煙の楽しみというものもわからないので、どうしても喫煙に対して否定的になってしまいます。
さらに私の周囲で喫煙している人の大部分が、実は潜在的な禁煙希望者であります。(正確な意見調査をした訳ではありませんが、多分そうです。)
人生が50から60年であればそんなに煙草が寿命を短くする要因にはならないと思いますが、今は「80歳まで、もしかしたら100歳までも健康な生活を維持する」という昔なら夢のような事が、様々な努力をすれば手に入れれる時代です。
もしそのような人生目標を持つ人にとっては、やはり煙草はできれば避けておいたほうがいい嗜好品のように思います。

煙草を一箱1000円にして、それをきっかけに日本の喫煙者の9割の方がもし禁煙に成功したならば、煙草税が多少減収になっても、日本社会全体の健康レベルの上昇に計り知れない効果をもたらすと思います。
「煙草一箱1000円」は増収になるか減収になるかといった観点からのみの議論に終わらないで欲しい素晴らしい提案です。「今まで中々できなかった禁煙するきっかけを作ってくれて、どうもありがとうございます。」、と大部分の人は言ってくれそうな気がするんですが・・・

そして愛煙家の方は、一本50円になった貴重品の煙草を心を込めて味わう・・・いい事だらけの政策に思えますが、愛煙家の方にとっては、多分煙草は好きな時に手軽にスパスパ吸いたいものなのでしょうね。迷惑な提案と思っていると思います。
この提案がどのように展開するのか楽しみです。

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武藏 泰弘
武藏 泰弘
むさし歯科医院 院長