「さっきまで雲ひとつ無い猛暑の晴天だったのに、気がつけば急に空が暗くなって激しい雷鳴と豪雨になって・・・」
霊感など殆ど無い私ですが、7月28日の集中豪雨は何か恐ろしいものがこの街に襲い掛かってきたように感じました。
7月28日の昼過ぎに神戸市を急に襲った集中豪雨によって、灘区の都賀川が10分間に1メートルという急激な水位上昇を伴った激流となり、都賀川の親水公園で遊んでいた2人がその激流に飲み込まれて尊い命を失いました。また都賀川の他の場所で激流に流されたと思われる方も3人おり、今回の都賀川の増水事故で合計5人の犠牲者が出てしまいました。
普段の都賀川は、「川」という名前をつけるのが勿体無いくらいの浅くて小さな川です。長靴をはけば簡単に渡れる位の川といえばわかってもらえるでしょうか。
そしてこの川は灘区の中心部を流れている事もあり、川遊びのできる親水公園が整備され「灘秋祭り」などの催し物も毎年行われ灘区民にとって憩いの場でもあるのです。
そこでの出来事だけに私は大変なショックを受けております。
亡くなられた5人の犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りするばかりです。
そして「親水公園」というもののあり方を考えさせられました。
あの日、午後2時までは灘区民の多くの方は「こんなカンカン照り・・もう都賀川にでも飛び込みたいくらい暑い・・でも都賀川は飛び込むには浅すぎるかな。せめて川に足だけでも浸かりたい。」そんな事を考えてたと思うのです。だから都賀川で水遊びをするのは地域の方にとって当たり前の事であり、そして誰もがその40分後に都賀川の親水公園が激流の川底になるなんて考えられなかったはずです。だからこそ今回の事故はショックなのです・・
どうすればこんな事が二度と起きないようにできるのだろうか・・・とずっと考えています。
新聞では連日これからの対策を記事として載せています。
この都賀川の親水公園は「あくまで川の底を利用した公園」なのか「地域にとっての大切な憩いの場」なのか、それを徹底的に再検討する必要があるのではないでしょうか。
あくまで「川底を利用した公園」という認識なら、警報時にサイレンを鳴らすだけでは対策として不十分だと思います。警報時というものの定義が曖昧ですので、いっその事
「雨が少しでも降ったら、神戸市内の河川の親水公園全ては立ち入り禁止!」
とするという規則を作るべきと思います。
そして親水公園の非常時の安全性を高めるなら、今回親水公園で被害に遭われた方は雨が降ってきた時に橋の下で(つまり厳密にはまだ川の中にいました)雨宿りをしていて急激な増水に対して逃げ場が無くなってしまったのですから、親水公園からの階段の数を増やすとか、川沿い(上に上った所)に雨宿り用の屋根を設置するとかをすべきかもしれません。
そして都賀川の親水公園や生活道路(川沿いに道がついている所もあるのです)のあらゆるところに、今回の水位がよくわかるように川壁に線を書いておき、横にはプレートか何かで
「2008年7月28日に起きた集中豪雨の日は、午後2時までは雲ひとつ無い猛暑の日でした。2時30分より空が暗くなり急に雨が降り出し、それから10分後にこの都賀川はこの線まで急に水位が上昇し激流となり、逃げ遅れた5人の方の命を奪いました。」
「この都賀川の親水公園は川の中の公園であり、急な雨によって短時間にここまで水位が上昇する危険がある所なのだという事を忘れないで下さい。」
「神戸市ではこの痛ましい事故以来、降雨時のこの親水公園への立ち入りを禁止しております。また普段から降雨時の避難場所を確認しておいて下さい。犠牲者の方は川の中の橋の下で雨宿りしていて被害に遭われました。降雨時は速やかに川の中ではなく川の外に非難して下さい。皆様のご協力とご理解をお願いします。」
こんなプレートを沢山掲示してほしのです。
でも書いていて何か違和感があります。
やはりこの都賀川親水公園は「地域にとっての大切な憩いの場」だと思うからです。
めったにない事とはいえ、大切な憩いの場が10分で激流の川底になるかもしれないなんて、それは「現代の治水」と呼べるものなのかな?今の治水技術を駆使すれば、もっと効果的な増水対策ができるのでは?と思うからでしょうか。
素人考えではありますが、例えばこの都賀川の上流に貯水地なり小ダムを作るなり、あるいは都賀川の地下に巨大な下水管を埋め込み、非常時用に使用する「第二の都賀川」みたいなもの作れば急激な増水は防げるのでは?と思ってしまいます。
絶対に二度と起こしてはいけない事故と思うからこそ、治水のプロの方の改善策にも期待したいと思います。